手暗がり、という単語が持つ違和感
手暗がりという単語がある。
意味としては
- 自分の手に光が遮られて手元が暗くなること。また、その場所。
- ということだそうだ。出典:デジタル大辞泉
この言葉には昔から違和感を覚える。
なぜだろうか、度々考えてきた。
最近その答えがわかったのでシェアしたいと思う。
まず、その違和感を説明するために「動詞の名詞化」について話したい。
(動詞の名詞化とは専門的には「連用形の名詞化」という。)
動詞の名詞化とは動詞を連体形にすると名詞になるという法則だ。
例えば、「釣る」という動詞は連体形にすると「釣り」となる。
釣ります。釣りながら。
といった風に「ます」や「ながら」に続けられるのが連体形だ。
またこの連体形は「釣り」という一単語の名詞にもなることができる。もちろんフィッシングという意味の単語である。
このように動詞を連体形にすると名詞になることができるのがこの法則だ。
この法則を他の例で見てみると
踏み切る→踏切
借りる→借り
流れる→流れ
歩む→歩み
のようなものがあるだろう。
ここで手暗がりに戻ろう。
手暗がりをこの法則に無理矢理当てめると
手暗がりの元の動詞は(手)暗がるとなる。
暗がると言ったような動詞は存在しない。それがこの手暗がりという単語が持つ違和感の原因なんだと考える。
(暗がる、は正確には暗くなるという意味の古語なのだが、現代では使う人はもちろんいない。)
そんなことを考えていた。
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